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このページでは、当サイト「YOMUDAKE / ヨムダケマンガ」が選ぶ、5巻以内で完結するおすすめ漫画を紹介します。5巻以内で完結するため全巻集めやすいのも特徴です。
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短編集

| 著者 | 真造圭伍 |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | 小学館 |
あらすじ
「ひらやすみ」で有名な真造圭伍先生の短編集。全8話で構成。中2の学際前日、俺は家出をした。-「ディパーチャー」|ウチ、結構やばいよ?清水さんは、初めて彼氏をゴミ屋敷の実家に招く-「清水家のすべて」|なじみの店が欲しくて・・・。-「いつでもフラッと飲める友達がほしいよ」
漫画「ひらやすみ」で有名な真造圭伍先生の短編集。とにかく全ての短編集を通して「人間っぽさ」みたいなものを感じ取れる。この人間っぽさとは何なのか?「ひらやすみ」でもそうだが、真造先生特有の空気感みたいなものがある。言語化することが難しいが、春のぽかぽかとした暖かさみたいな感じだろうか。無駄に装飾せず、ありのままの生きた感じが伝わってくる。好きな人にとってはたまらない作品。

| 著者 | 九井諒子 |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | イースト・プレス |
あらすじ
九井諒子先生の短編集。タラバガニってカニじゃないらしいぜ – 「TARABAGANI」/ 魔物から国を守るために我々は街に被害を与えている? – 「ユイカ!ユイユイカ」/ あそこに見えるのは凄いお金持ちの家です。広すぎるのでバスや電車で移動します – 「すごいお金持ち」など全部で33作品収録。
本のタイトル「テラリウム」が示すように、各作品には独自の世界観がしっかりと築かれている。それどころか、「九井諒子先生の頭の中は一体どうなっているのだろう」と思わずにはいられないほど、読者をワクワクさせる切り口が多い。面白い発想を持つ人の思考をのぞいてみたい。そんな願いを叶えてくれるのが、この短編集である。

| 著者 | 浅野いにお |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | 小学館 |
あらすじ
「素晴らしい世界」の1巻と2巻が合わさった真相完全版。全19話+1話が収録されている。あたしは決して強い女ではないのに、勢いで大学を辞めてしまった – 「脱兎さん」| 突如目の前に現れたカラスの姿をした死神は、私の死を望んでいる – 「坂の多い街」| 俺の未来は真っ暗だ。真っ暗闇だ – 「シロップ」
短編集ではあるものの、物語の前後には人物同士のつながりがあり、登場人物たちが同じ時間、同じ世界の中で生きていることを感じさせる構成。それぞれが何かしらの思いを抱えながら、消えそうな日常を今日も生き続ける。ただそこに、虚無のごとき人生が広がっている。そんな現実を味わうことができる作品。

| 著者 | 山本和音 |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | KADOKAWA |
あらすじ
山本和音先生の短編集。全11話で構成。2150年、地球の平均気温は52度。人類はスノードームでの生活を義務付けられた。-「夏を知らない子供たち」|元彼が私に会いたがっている。私のことまだ好きじゃん?-「まどか、田園へ行く」|ドラフト候補の高校球児・三浦くんに1通のメールが届く-「ナイトゲーム」
この短編集は、それぞれの登場人物たちの人生の一瞬を切り取った感じを楽しむことができる。まさに短編集とはこのこと。個人的に好きな話は「ナイトゲーム」で、物語の展開から終わり方まで最高だった。すぐに読み返してしまったくらい好き。短編集全体を通して良い意味であっさりしているにも関わらず、読み終えたあとに何かが残る。よく分からないが夏に畳の上で読みたくなる作品。

| 著者 | 大白小蟹 |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | リイド社 |
あらすじ
トーチwebや著者のSNSに掲載された作品を集めた、大白小蟹先生による短編集。彼女の側に一生いたいと願ったスミオ。しかし彼女は去ってしまう – うみべのストーブ / 元旦の大雪の日、偶然出会った男をきっかけに雪女は未知の世界に触れる – 雪子の夏 / ある日、夫は交通事故に遭い、透明人間となってしまう – きみが透明になる前に など
全7話を収録。いずれの作品も、心の奥底に沈む感情を毎回異なる角度から揺さぶってくる。言葉にしがたい「特別さ」をそっと手渡してくれる短編集。

| 著者 | 真鍋昌平 |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | 小学館 |
あらすじ
『闇金ウシジマくん』で知られる真鍋昌平先生による短編集。
手が届きそうで決して届かない、それがアイドルという存在である。それでもドルヲタは、刹那の一瞬にすべてを捧げる – アガペー / 閉鎖的な地方都市に生きる若者の悶々とした虚無を描き出す – ショッピングモール / 3.11の震災後、被災地で変わりゆくものと変わらぬもの、そして・・・ – おなじ風景 など
どうにもならない現実、それでもなおどうにかしたいと願う切実さ。物語の主人公にはなれなかった人々が、世界の片隅で「今」を必死にもがきながら生きる姿に、良い意味でため息を誘われる。

| 著者 | 浅野いにお |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | 小学館 |
あらすじ
ヒカリグループの進出によって発展した新興住宅地「ひかりのまち」を舞台に、住民それぞれの視点で描かれる短編集。当たり前の幸せに価値を見出せず、それでも日々は続いていて、気づいたら大人になっていて – キラキラ星はどこへ行く / 不登校を決めて1年。僕は自死を選ぶ人々をコーディネートする見届け屋になった – バスストップ など
外から見れば輝かしく映る街にも、そこに暮らす人々の心のかげりがある。新興住宅地という幸福の象徴の裏で、誰もが何かを抱えて生きている。そのギャップと、諦念にも似た日常の空気感が心地良い。

| 著者 | 澤江ポンプ |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | リイド社 |
あらすじ
澤江ポンプ先生の短編集。2年前に経験した絶望。33歳の会社員・伊達は、健康のために毎日スーパーで納豆を買う。そんな彼は、スーパーのレジに立つ女性店員・吉井経(よしいけ)の頭に葉っぱが咲いていることに気づく – はっぱの人 / 「大丈夫上手くいくさ ほらゲームみたいなもんだ」何もかもが嫌になって学校に行かなくなったぼくにパパは言った。でも、パパは亡くなってしまった – サイコンクエスト など
読み切り作品やエッセイ、1ページ漫画などを収録した短編集。日常のひとコマに独特の空気感と、わずかな不思議さを添えることで、思わず「ふふっ」と微笑んでしまうような世界を描き出す。

| 著者 | スケラッコ |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | リイド社 |
あらすじ
スケラッコ先生による短編集。友人が突然「インドへ行く」と言い出た。そしてその間、自宅の留守番を頼まれた。自宅の目印は大きい犬?実際に訪れると、その犬は少食で、名前もなく、ただそこにいた – 大きい犬 / 祖母の七回忌を終えた祖父は、突如「実はわし、えびすさまなんや」と言い出す。孫の私は、なぜか七福神再集結を手伝うことに・・・ – 七福神再び / 今日は楽しいクリスマスイブ。私は急いで仕事を切り上げる。これは毎年恒例。そして、
私が向かった先は – クリスマス幸子 など
日常の片隅に潜む、少しだけ不思議で、やさしく奇妙な世界。スケラッコ先生の作品は、独特の温もりとユーモアがあって素敵。

| 著者 | 宮崎夏次系 |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | 講談社 |
あらすじ
宮崎夏次系先生の短編集。ちょっとお前首吊ってきて。社長が事故を起こしたことで、命には命で償うことに。そこで首吊りを頼まれた僕はトイレに篭り・・・ – 昼休み / 退屈な毎日をやり過ごすために、僕たちはバクダン遊びをする。次のターゲットはあの建物だ – 成人ボム 夏の日 / 病院へ運ばれた妻。無事手術は成功したが、ベッドにいる妻はうちの妻ではない。一体誰なんだ – 飛んだ車 など
いずれの作品も完成度が高く、読む者を惹きつける。わずかな絶望とほのかな希望が交錯する物語が多く、その空気感は絵のタッチとも相乗して深みを増す。各話の読後には、どこか文学的な余韻も。
人間ドラマ

| 著者 | 鶴谷香央理 |
|---|---|
| 巻数 | 全5巻 |
| 出版社 | KADOKAWA |
あらすじ
気づいたら75歳。もう夫の三回忌。そんなある日、お婆さんは久しぶりに本屋に立ち寄ると、1冊の絵が綺麗な漫画と出会う。その本は「BL漫画」。書店でバイトするBL好きの女子高生店員とお婆さんの年の差友情物語が描かれる。
どこか消極的で同学年のみんなが大人に変わっていくなか1人取り残されてしまっているように感じている女子高生・佐山うららと、夫を亡くして退屈な日常に変わってしまった市野井雪が、BLを通して2人に「青春」が訪れるという面白い切り口。しかし、ちゃんと年の差の部分を描いており、佐山うららが市野井雪に対して悩んだり心配する様子はリアル。1つ1つの描写がリアルで、それぞれの立場で抱えているモノが描かれており、読み終えたあとには「良い作品に出会えた」と思えるはず。

| 著者 | 藤本タツキ |
|---|---|
| 巻数 | 全1巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
小学4年生の藤野は自分の絵に自信を持っており、学級新聞では4コマ漫画を任されていた。しかし、不登校の京本が描いた4コマが掲載されると、その圧倒的な画力の差を見せつけられる。藤野は必死に絵の勉強を始める。周りは誰も理解してくれない。そして2年後、藤野は挫折する・・・
見る人によって解釈が大きく分かれそうな作品。絵を描く喜びが、京本との出会いをきっかけに苦しみに変わり、やがて藤野は筆を折る。しかし、自分を苦しめたはずの京本だけが、最後まで藤野の才能を認めていた。そこから物語は静かに動き出す。藤野にとって、京本という存在は何だったのか。

| 著者 | ウルバノヴィチ香苗 |
|---|---|
| 巻数 | 全2巻 |
| 出版社 | リイド社 |
あらすじ
現代と比べれば貧しい時代かもしれない。それでも、人々は会話を楽しみ、食を味わい、季節の移ろいに心を寄せながら日々を生きていた。本作は、そんな江戸の人々の暮らしを描いた短編集。江戸に流れる時間は、今よりもずっと穏やかで、ゆっくりと、そしてていねいに刻まれていた。
忙しない日々を送る現代人が、いつの間にか置き忘れてしまったもの。この作品には、そんな大切な何かが随所に散りばめられている。夏の暑さをそのままに感じ、夜空に浮かぶ月を眺め、どこからか漂う匂いに心を留める。私たちは、そんな当たり前の楽しみすら忘れてしまっていたのかもしれない。人間としての幸福とは何か。この物語には、慎ましい日常に潜む、小さな幸せが溢れている。

| 著者 | 浦沢直樹 |
|---|---|
| 巻数 | 全1巻 |
| 出版社 | 小学館 |
あらすじ
父は借金を抱え事業に失敗。母は逃亡。そんなこんなで父と暮らす小学生の娘。ある日、2人は「夢印」と書かれた古びた看板を掲げる建物へとたどり着く。そこで出会ったのは、奇妙な髪型に出っ歯で語尾に「ざんす」をつける怪しげな男。その男は絵画を使って大金を得る方法を語り、父は心を奪われていく。止めようとする娘をよそに、父は藁にもすがる思いで、ある計画を胸に親子はフランスへと旅立つ。
怪しげな男の導きによって、ルーヴル美術館を舞台に繰り広げられる日本人親子の一世一代の賭け。滑稽さと哀しさ、そして人間の欲望と夢が絶妙なバランスで描かれている。1本の映画を見終えたかのような満足感。

| 著者 | 浅野いにお |
|---|---|
| 巻数 | 全2巻 |
| 出版社 | 小学館 |
あらすじ
むずかしいもんだ。人生ってのは。死んだように生きるのが嫌で会社を辞めたはずなのに、今度は何も社会貢献できていない自分がまるで存在していないような気がしてくる。社会人1年目が過ぎた井上芽衣子は、会社を辞める。フリータの彼氏と同棲して6年。見上げた空は、近くて遠かった。
もがきながら生きる一方で、そんな自分を直視したくない。掴みたくても掴めず、普通に生きたくても生きられない。折り合いをつけるべき自分とも向き合えぬまま、選択肢は次第に消えていく。可能性を手放した先に何があるのかすら分からない。生きることへの漠然とした不安感と、ただ過ぎ去る時間に溺れそうになる。刺さる人には、とにかく刺さる作品。

| 著者 | 三秋縋 / 田口囁一 |
|---|---|
| 巻数 | 全3巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
20歳になったクスノキは、金欠だった。食べるものに困っていた彼はCDと本を手放す。そこで寿命を買い取ってもらえるサービスを知る。命の査定を行うと、余命は30年3ヶ月。1年あたりの買い取り額は、最低買取価格の1万円。自分の今後の人生に価値がないことを知った彼は3ヶ月だけ残し、30年分を売り払う。
自分の残りの人生に価値がないことを知るという絶望から始まるこの物語は、色々と読んでいて心に突き刺さる。寿命というものを意識し始め、人との繋がりを求めはじめるところもリアル。
SF

| 著者 | 小出もと貴 |
|---|---|
| 巻数 | 短編集 |
| 出版社 | 講談社 |
あらすじ
アイリウム・・・1錠飲めば24時間後へワープできる薬。服用すると普段通りの生活を行うことができるが、その間の記憶は自分に残らない。嫌なコト・辛いコトの前に服用すれば記憶に残ることなくやり過ごすことができ、24時間後に意識が戻る。そんなアイリウムが当たり前になった世界に生きる7人の物語。
アイリウムが普及したこの世界では「記憶の価値」とは?みたいな部分を考えさせられる。目の前にある出来事をある意味なかったことにすることができるアイリウムは、人々を物凄く単純な生物へと変えてしまう。しかし、7人の物語の中には、アイリウムが現実でも誕生すれば、実用化される可能性はあるのでは?と思わせられるようなリアリティある場面も。アイリウムは神の慈悲か?悪魔の策略か?読み終えたあとに、考えさせられてしまう。

| 著者 | 中村ひなた |
|---|---|
| 巻数 | 全4巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
少年・宇佐美九の元へやってきた人型ロボット・いちこ。人の「心」を学ぶため一緒に暮らすことになった。宇佐美家の隣で暮らすのは、幼馴染の入江愛。愛は、真っ直ぐで優しい九に恋心を抱いていた。一方、九もまたロボットのいちこに抱く感情に変化が。
男の子の宇佐美九・女の子の入江愛・ロボットのいちこ、の三角関係を描いた作品。単純に人間の三角関係ではなく、ここにリアルな人型ロボットを入れることで、人間の複雑な心の動きと汚い部分がにじみ出てくる。それを透き通るような透明感ある、中村ひなた先生の絵のタッチで表現されたこの世界は、美しくて儚い。表情の描き方も自然かつリアルであるからこそ、このストーリーが成り立つし引き込まれる。漫画家としての技量を魅せつけられた作品。

| 著者 | タイザン5 |
|---|---|
| 巻数 | 全2巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
ある日小学生のしずかちゃんは、ハッピー星からやってきたハッピー星人と出会う。ハッピー星人を「タコピー」と名付けた。純真無垢なタコピーは、しずかちゃんを元気にしようとするもどこか暗い表情のまま。実はしずかちゃんは、学校で壮絶なイジメに合っていて・・
常に読んでいて苦しくなるような展開が続くも、タコピーの「純真無垢な姿」が良い味を出している。物語の序盤では、しずかちゃんは周りの劣悪な環境によって可愛そうな少女として映るも、中盤からは少しずつ、タコピーと読者はしずかちゃんに振り回されるようになり、気づくと序盤に見えていた景色と違う景色に変わっている。2巻という短い物語の中に、読者は何度も感情が行ったり来たりするのを味わえるおすすめの作品。

| 著者 | 村上たかし |
|---|---|
| 巻数 | 全1巻 |
| 出版社 | 双葉社 |
あらすじ
AIに「心」は存在するのか。人間の知能を超えた量産型人型ロボット「ピノ」が普及する近未来。ある事件をきっかけに研究施設が爆破されるが、その直前、ピノが見せた行動はまるで「心」を持つ者のようだった。1年後、とある街に住むピノは一人暮らしの認知症のおばあさんと穏やかな生活を送っていた。しかし、ウイルス感染により10日後に機能停止が迫る中、ピノの中である変化が・・・
心を持ってしまったロボットという古典的テーマではありつつも、人とロボットの境界線をしっかりと描き、切なくも温かな視点で包み込んだ作品。ピノを創造した人間、認知症のおばあさんが見ている世界、ピノ自身の世界、そして読者の世界。それぞれの「心の在り方」が問われる。1本の映画を見たかのような満足度。

| 著者 | 森田るい |
|---|---|
| 巻数 | 全1巻 |
| 出版社 | 講談社 |
あらすじ
「クソが……クソ野郎。会社、辞めちゃおっかな。」会社員のカナエは、偶然再会した小学校の同級生・中平かずきと出会う。彼は、寂れた工場でひとり、ロケットエンジンを製作していた。目的は宇宙で映画を上映するため。荒唐無稽な夢に呆れるカナエだったが、次第に彼の真摯な情熱に惹かれていき、2人はロケット開発に挑むことに・・・。
合理性が重んじられるこの時代。そんな現代に、ただただロマンのために命を燃やす2人の姿は、まるで異星の光のようにまぶしい。そこに意味などなくてもいい。ただ夢中になれるものがある。痛快で熱量のある物語。

| 著者 | 石黒正数 |
|---|---|
| 巻数 | 全1巻 |
| 出版社 | 講談社 |
あらすじ
増築と改築を重ねた、でこぼこだらけでまるで迷路のような奇妙な建物となった「外天楼」。この場所を舞台に、物語は本屋でエロ本を買おうと画策する三人の少年たちのエピソードから幕を開ける。その後も、個性豊かな登場人物たちが次々に姿を現し、読者は一見すると短編集のように思える。しかし、それらの断片的に見える物語はやがて一本の線となり、想像を裏切る形へ・・・
序盤は軽妙なコメディとして展開し、作風もオチも実に痛快であるも読み進めるにつれ、物語の空気は徐々に得体の知れない不穏さが漂い始める。著者独自の世界観が多角的に凝縮された本作は、タイトルにもある「外天楼」そのもののように、複雑で魅惑的な構造を持っていて面白い。

| 著者 | 乙一 / ミヨカワ将 |
|---|---|
| 巻数 | 全1巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
僕の家は高台にあり、2階部分だけ強い風が当たる。そんな2階にある僕の部屋のベランダには毎朝大量の落ち葉が。そして落ち葉にまぎれてゴミも。そんなゴミの中にあったのは新聞の切れ端。日付は来月。記事の内容は殺人事件。もし本当なら未来に起こる事件ということになる。そして今日、僕が通う高校で事件が起きた・・・
1巻で完結とは思えないほどストーリーに厚みがある。SFの要素はありつつも、下手にSFに頼り切ることなく、しっかりと登場人物含めて物語がしっかりと描かれており読み応えがある作品。セリフの言い回しや間も含めて漫画として面白かった。

| 著者 | 高見奈緒 |
|---|---|
| 巻数 | 全2巻 |
| 出版社 | イースト・プレス |
あらすじ
両親の離婚により、兄は母の元へ引き取られ、8歳の弟・皆蔵(みなぞう)は父と暮らすことになった。しかし、皆蔵の胸には常に寂しさが付きまとっていた。「みんなと一緒にいたいだけなんだ…」彼の心の拠り所は、人気漫画のキャラクター・モクモクマンだった。今日もまた、皆蔵は彼に向けて手紙を綴る。一方、その漫画の作者もまた、虚無と向き合いながら筆を執っていた。
舞台は、異常気象による猛暑が続く東京。限られた者だけが地下へ避難を許される世界で、地上に取り残された孤独な少年と漫画家の物語が描かれる。度重なる災害や人災、生死の境を彷徨う日常の中で、漫画はどのような意味を持つのか。どこかの誰かに届く救いの手とは何か。読み終えたとき、心にじんわりと温かさが広がる。

| 著者 | 篠原健太 |
|---|---|
| 巻数 | 全5巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
西暦2063年。ケアード高校の生徒たちは、惑星キャンプへと出発する。生徒たちだけで惑星マクパで5日間過ごすというイベント。この日、無作為に集められた9人のB5班は惑星マクパへと旅立つ。しかし、そこで謎の光に飲み込まれ気付くと全員宇宙空間へ放り出されてしまう。
個人的に前作の「スケットダンス」のファンでもあるが、相変わらずコメディ要素で笑わせてきたと思いきや突然シリアスな場面を取り入れ緩急の使い方が上手い。また、物語に登場するキャラクターが多いにも関わらず、1人1人ちゃんと個性や役割が与えられているのも素晴らしい。そして終盤に近づくにつれ、ページをめくる手が止まらなくなる。

| 著者 | 吾嬬竜孝 |
|---|---|
| 巻数 | 全4巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
2045年、再びアメリカとロシアの冷戦時代に突入。その一方で、地球上では異常気象や大気汚染が深刻化し、動植物の絶滅が進むなど、地球は滅亡の危機に瀕していた。そんな中、突如として謎の飛翔体「蝶」が地球に向かって接近してくる。その「蝶」を倒すべく、ヒューマノイドのアダムが立ち上がるが・・・
個人的には、SF小説を読んでいるようなセリフの言い回しが刺さる。地球のため、人類のために戦うAIロボットと、その裏で繰り広げられる人間ドラマ。そういう作品が好きな人におすすめしたい。

| 著者 | 小畑健 / 竹内良輔 / 安倍吉俊 / 桜坂洋 |
|---|---|
| 巻数 | 全2巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
人類は今、かつてない戦争の渦中にある。敵は人類ではない。謎の生命体・ギタイ。彼らの目的は、人類の完全殲滅だった。この長きにわたる戦争の最前線に、初出撃として投入される兵士・キリヤ・ケイジ。ジャパンにもギタイが押し寄せ、キリヤは、USの特殊部隊と共に戦場へ向かう。しかし初陣の戦場で、彼は圧倒的な数のギタイに追い詰められ、身体を貫かれ、激しい痛みの中で死を迎える・・・はずだった。次に目を覚ましたとき、キリヤは出撃前日の朝に戻っていた。やがて彼は「死」のループに巻き込まれていく。
まさに王道のSF漫画。戦闘用スーツをはじめとしたメカニック描写は細部まで作り込まれており、読者のいわゆる厨二心を強く刺激する。死と成長を繰り返すループ構造、そしてその先に待ち受ける結末まで、一気に読み進めたくなるスピード感に満ちた作品。
ミステリー

| 著者 | 黒井白 |
|---|---|
| 巻数 | 全3巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
宇宙空間で見つけた古びた旅客船の中に潜入する盗掘屋の3名。人の気配はなく、廃墟のような船内。そこで金目の物を探していると1冊の手帳を見つける。手帳は航海日誌のようで、この旅客船で起きたことが書かれていた。どうやらこの旅客船は中学校の修学旅行で使われていた船らしく、そこでは悲惨な事件が起きていたようで・・・
映画を見ているかのようなスケール感満載のSF漫画。絵のタッチ含め常に緊張感を楽しめる。そして物語はどう展開していくのか?ドキドキを楽しめる。

| 著者 | タナカミホ / 北村薫 |
|---|---|
| 巻数 | 全1巻 |
| 出版社 | リイド社 |
あらすじ
文学部に通う大学生の「私」は、ひょんなことから噺家・春桜亭円紫と出会う。円紫は頭脳明晰で、どこか底知れぬ人物だった。やがて私は彼とともに、日常のなかに潜むミステリーを通して人間の心の機微と向き合うことになる。光と影、貧しさや葛藤、そして誰もが抱える想い。五つの物語で描かれるのは、「人間」という存在への探求である。
原作が推理小説であるためか、作品全体にどこか文学的。謎を解く過程の中で、人の心に潜む闇や弱さが鮮やかに浮かび上がり、それがやがて穏やかな余韻へと昇華されていく。

| 著者 | 乙一 / 大岩ケンヂ |
|---|---|
| 巻数 | 全1巻 |
| 出版社 | KADOKAWA |
あらすじ
僕は「普通」とは違う。その事実を、ずっと隠し続けてきた。幼い頃から死や人体の構造に異様な関心を寄せてしまう自分。その危うさを自覚しながら生きてきた高校生の僕は、同じく人間の危険な側面を好奇の眼差しで見つめる森野夜と出会う。どこか似た者同士でありながら、互いに微かな危険の香りをまとった二人。やがて彼らは、日常の裏側に潜むさまざまな事件へと巻き込まれていく。
狂気と恐怖が交錯する連作短篇ミステリー。この物語に安易な正義はない。登場人物それぞれが抱え込む闇と、ふとした瞬間に表出してしまう衝動とを、いかに受け止め折り合いをつけて生きるのかが描かれる。

| 著者 | 筒井哲也 |
|---|---|
| 巻数 | 全3巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
「明日の予告を教えてやる」突如、インターネット上の動画投稿サイトに現れた、新聞紙で顔を覆った謎の男。彼は社会秩序を乱す人物を名指しし、犯行予告を行ったうえで、それを実行に移していく。その手口と目的に世間は騒然。やがてネット上では、彼を支持する声さえ現れ始めた。果たして、彼の真の狙いとは何なのか?
現代社会の歪みに切り込む異色のサスペンス。ネット社会を舞台に展開される「制裁劇」は、単なる犯罪ドラマにとどまらず、格差・排除・正義といった普遍的テーマを浮き彫りにする。
青春ドラマ

| 著者 | 上村 奈帆 / プクプク |
|---|---|
| 巻数 | 全4巻 |
| 出版社 | 小学館 |
あらすじ
私は卒業式で泣いたことがない。私は青春不適合者だ。高校生になったゆかりは、青春を感じられる「夢中になれる何か」を探していると・・・徳田みみに出会う。彼女は雑草研究部という部活らしい。雑研と出会い、ゆかりの見えていた世界は大きく変わっていく。
雑草にスポットを当てた青春漫画。雑草から繋がる友、雑草から見えてくる世界、面白い切り口の漫画。

| 著者 | 西尾 拓也 |
|---|---|
| 巻数 | 全2巻 |
| 出版社 | 集英社 |
あらすじ
朝の7時。ガラガラの電車で私はいつも決まった場所に座ります。30分後に、彼も決まった場所に座ります。美化委員の夏川さんは、どこか自分と似た匂いを感じられる相原くんに惹かれていた。しかし、ある日相原くんと歩く女性を目にしてしまい・・・。
1コマ1コマに時間がしっかりと流れていることを感じ取れる作品。絵のタッチと物語の相性も良く、切なく冷たく美しく表現されている。漫画だけど漫画じゃない。2つの意味で余白を楽しめる漫画。

| 著者 | 森もり子 |
|---|---|
| 巻数 | 全3巻 |
| 出版社 | ナンバーナイン |
あらすじ
この教室は支配されている。文化祭実行員を決めることになったが、誰も手を挙げない。するとスクールカースト上位の前田が俺に押し付けてきた。文化祭実行委員になった俺は、このスクールカーストを破壊するために、カースト上位の女子・伊藤と付き合う計画を立てる。
スクールカーストの下にいる自分がカースト上位の女子と付き合えば、上位の奴らの関係性が壊れて同時にスクールカーストも破壊できるという・・・もうこの設定が魅力的。良い意味でこのくだらなさがワクワクさせてくれる。そしてセリフの言い回しも高校生らしさを表現していて良い。最終的にどう転んでいくのか期待しながら読み進めていった。
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