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このページでは、おすすめのSF小説をご紹介しています。ページを開けば、そこは遥か未来や宇宙の果て、あるいは不思議な異空間。未知なる世界へ誘うSF小説の魅力を、どうぞご堪能ください。
日本人作家

| 著者 | 佐藤 究 | 
|---|---|
| 出版社 | 講談社 | 
あらすじ
「Z世代」その空虚な言葉を、バーナムは嫌悪していた。世代とは本来、大量絶滅によってのみ定義され得るのではないか。ユタ州に暮らす17歳のバーナムは、古生代の三葉虫化石に魅了され、孤独ながらもある種の平穏を保った高校生活を送っていた。しかし、その静かな日常は、校内の人気者コール・アボットによる執拗な嫌がらせによって唐突に崩れ去る。
孤独な少年と退役軍人。世代も背景も異なる二人に潜む共通点が、物語の根幹を成す。そして少年が抱え続けた孤独は、やがて暴発する。舞台はアメリカだが、日本人作家が描いたとは思えぬほど、文体や構成からは海外文学的な空気が漂う。全編を覆う緊張感と、どこか退廃的なダークヒーローの香りが印象的。

| 著者 | 斉藤 詠一 | 
|---|---|
| 出版社 | 実業之日本社 | 
あらすじ
2038年、急激な温暖化により海面は上昇し、世界中の沿岸都市は水没。海面から突き出すようにビル群がそびえ立つ光景が広がる。環境保護が至上とされ、人命すらその優先順位の下に置かれる時代。そんな中、東京湾で突如コンテナ船がジャックされる。やがてそれは、世界を揺るがす大事件へと繋がっていく・・・
序盤から異様な空気に満ち、なおかつ現実の延長線上にあるかのようなリアリティをもった世界観。環境保護が人命を凌駕するという苛烈なルールの中、物語が進むにつれて次々と訪れるドラマチックな展開に読者は引き込まれる。エンタメとして楽しめるだけでなく、「正義とは」の問いを突きつける。

| 著者 | 森見 登美彦 | 
|---|---|
| 原案 | 上田 誠 | 
| 出版社 | KADOKAWA | 
あらすじ
京都の夏。下宿生活三度目の盛夏、学生アパート209号室。ここはアパートで唯一クーラーが備わる部屋だった。ところがある日、そのクーラーのリモコンが故障。本体から電源を入れることすら叶わず、絶望に沈む「私」と悪友たち。そんな彼らの前に、突如としてタイムマシンが現れる。
ただ壊れたリモコンを取り戻すためだけにタイムマシンを用いるという、あまりにも些細で滑稽な挑戦を、これほどまでに愉快かつ巧みに描けるのかと驚かされる。登場人物それぞれが独特の個性を放ち、物語全体を愛すべき空気で満たしている。

| 著者 | 伊藤 計劃 | 
|---|---|
| 出版社 | 早川書房 | 
あらすじ
9.11以降、先進国は監視社会のもとで秩序を保ち、途上国では虐殺が相次いでいた。その陰に必ず現れる謎の男ジョン・ポール。米国軍の特殊部隊員クラヴィスは、彼を追う任務を帯びる。しかし、やがて「虐殺」を生み出す仕組みの核心に近づいていく。
重厚なテーマでありながら描写は生々しく、現実を想起させる恐怖と同時にある種の爽快感をもたらす。戦争や虐殺の背後に潜む「言葉の力」、そして主人公が迫られる選択。SF小説として深く没入できる。

| 著者 | 樋口 明雄 | 
|---|---|
| 出版社 | 角川春樹事務所 | 
あらすじ
202X年5月1日、国籍不明の航空機2機が日本の領空に侵入。翌2日、屋久島・永田浜では午後10時を過ぎ、ウミガメの産卵ツアーが行われていた。波音だけが響く暗闇の中、突如として謎の光が多数現れる。水中スーツをまとった武装集団はツアー客に向けて発砲。北朝鮮内戦を契機に、特殊作戦群が屋久島へと上陸した・・・
屋久島を舞台に、島民や関係者それぞれの視点で描かれる近未来的山岳アクション。占拠された島で生き延びるための逃避行と戦闘が展開され、登場人物の思惑や謎が複雑に絡み合う。屋久島特有の天候や空気感までもが伝わる緻密な描写は、読者をまるでその場に立たせるかのよう。
海外作家

| 著者 | エルヴェ・ル・テリエ | 
|---|---|
| 翻訳者 | 加藤 かおり | 
| 出版社 | 早川書房 | 
あらすじ
この物語は、様々な視点で描かれる群像劇。年齢・国籍・性別もバラバラ。1つ共通点があるとすれば、3ヶ月前に「エールフランス006便」に搭乗していたこと。その飛行機は巨大積乱雲の影響により、機体は大きく揺れレーダーが故障。機長は管制センターへ繋ぐも「異常」が発生していた。
なるべく本の中身については、何も知らずに読んだ方が楽しめると思うので、ネタバレ無しの感想を書くのは難しい。言えることは、思想や価値観、もし自分ならどうするだろう?と考えさせられる。

| 著者 | キャメロン・ウォード | 
|---|---|
| 翻訳者 | 吉野 弘人 | 
| 出版社 | 文藝春秋 | 
あらすじ
午前0時、副操縦士の息子が乗る旅客機が墜落。同じ機内には、母・チャーリーの姿が。彼女は息子との関係修復のため、密かに搭乗していた。だが、墜落後に目を覚ますと午後11時1分。そして機体は再び午前0時に墜落する。繰り返される墜落。目覚めるたびに時間は繰り下がり墜落までの猶予が減っていく。限られた時間の中、彼女は事故の原因を探り、抗い続ける。
上空を飛ぶ旅客機を舞台に展開される、密室型のタイムループ作品。墜落を阻止しようと奔走する母親チャーリーと、副操縦士である息子の過去が交錯し、家族や人生、選択、そして想いが描かれていく。墜落のたびに時間が少しずつ進行するという巧妙な構造が、後半に向けて一気に物語を加速させる。

| 著者 | フィリップ・K・ディック | 
|---|---|
| 翻訳者 | 浅倉 久志 | 
| 出版社 | 早川書房 | 
あらすじ
第三次大戦後、放射能の灰に覆われた地球。多くの人々が火星へと移住する一方で、地球に留まる者も少なくなかった。この社会では「生きている動物」を所有することが社会的地位の象徴であり、人間らしさの証とされていた。しかし希少な動物は高額で取引されており、主人公リックは代わりに人工の電気動物を飼っている。そんな彼は、真の動物を手に入れるため、懸賞金の対象となっている火星から地球へ逃亡したアンドロイドを追うことに・・・
人間と見分けがつかないほど精巧なアンドロイド。人とアンドロイドの境界とはどこにあるのか。愛とは何か、信仰とは何か。もしその想いが真実であるなら、それは偽物であっても否定できるのだろうか。人間が抱える曖昧な境界線と、都合のよい解釈に満ちた心の在り方を映し出す。
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