オーディオブックを聴きながら本を読むと違う世界が広がった話
夜の1時間。本を読む素敵な時間。部屋を暗くし、手元を照らすライトだけをつける。
今日、読むつもりなのは、町田そのこさんの「夜明けのはざま」だ。
さてさて、本を・・・っと、その前に飲み物が必要だ。
飲み物良し。本良し。さあ、読み始めようかと思ったが、ふと、オーディオブックの存在が頭を過る。「夜明けのはざま」っオーディオブック化されていたよな。
スマホを手に取りアプリで検索してみる。
あった。オーディオブック化されていた・・・なるほど。本を読むのも良いが、オーディオブックで聴くというのも悪くないな。でも、せっかく本を買ったわけだし。
そうだ、オーディオブックを聴きながら本を読んでみよう。
オーディオブックを聴きながら本を読むと違う世界が広がった
オーディオブックで「夜明けのはざま」を再生する。そして、本を開く。スマホのスピーカーから流れるナレーターの朗読に合わせて、本の文字を追う。
すると、本を1人で読んでいるときとは違う感覚に襲われる。
これは面白いかもしれないと思い、Bluetoothのイヤホンをスマホとつなぎ、自分の耳に突き刺す。外の世界と完全に遮断され、本の世界に入り込んだ。
ナレーターは、朗読に適した感情の込め方でスラスラと読んでいく。それに釣られて同じように本の文字を目で追い、ページをめくっていく。
脳内でハッキリと映像化されていく
自分は、平均よりかは本を読んでいる方ではあるが、本を読むというのはどこかに負荷がかかっている。だから本が読めない、集中できない人の気持は分からなくもない。
しかし、オーディオブックを流しながら読む本というのは、その負荷が圧倒的に少ない。負荷という言い方が合っているのか分からないが。
では負荷が少ないと、どうなるのか?答えは、脳内でハッキリと本の内容が映像化されていく。
上手く言語化できないが、1人で本を読んでいるときは「文字を追うのに50%:脳内で映像化するのに50%」リソースを割いていたとする。
これを、オーディオブックを聴きながら読むと「文字を追うのに20%」くらいで済む。すると「脳内で映像化するのに50%」使って、残りの30%が宙を舞う。
この浮いた分を負荷が少ないと先ほど表現してみた。負荷が減ると脳内での映像化がハッキリする。ときには浮いた分を注いで80%の力で映像化しているのかもしれない。
この世界から抜けたくなくてページをめくる手が止まらない
外の世界と断絶されたこの本の世界。そろそろ読むのをやめようかと思うも、オーディオブックを停止しない限り、永遠と朗読が流れ続ける。
あぁ、この世界から抜け出したくない。例えるなら、映画館で映画を見ていて途中で帰るような感覚。1度も途中で帰ったことはないが。
ナレーターがセリフの部分を感情込めて読み上げる。これも、1人で本を読んでいるときとは違った感覚を味わえる。
1人で本を読んでいるときに脳内で読み上げられる音声は、引き出しが少ない。もしかしたら、声色七変化が得意な方もいるかもしれないが、自分は引き出しが少ない。
この引き出しが少ない自分を救ってくれるのがオーディオブックであり、特別な世界観に浸ることができる理由の1つかもしれない。
オーディオブックを聴くだけとは何が違うのか
別に本を読まなくても、オーディオブックだけを聴けば良いのでは?と思うかもしれない。
確かにオーディオブックは聴くだけでも楽しめる。しかし、耳だけで楽しむのはどちらかというとラジオや音楽を聴く行為に近い。本がある読書とは違うカテゴリーに属する。
オーディオブックは、隙間時間にサッと取り出して音声を流して本が聴けるというのが魅力。ビジネス書や実用書を流し、インプットの時間として活用する人も多いでしょう。
これを否定するわけではなく、むしろオーディオブックの活用法としては正しいが、「読書」として本に触れたい人にとっては、オーディオブックを使いこなせないと感じるはず。
耳で聴く本というのは、少しコツと慣れが必要。気が散ったり、本を頭で追えなくなると気づけば置いていかれる。
しかし、そこに実際の「本」という補助道具が入ることでバチッとハマる。本当に?と思う方は、本を用意してもらってオーディオブックを流しながら聴いてみて欲しい。
本を買ってオーディオブックも買うのか?
本も買って、オーディオブック版も買うの?と思われたかもしれないが、オーディオブックの方は「audible(オーディブル)」というサブスクの聴き放題を利用した。なので、定額料金のみ。
聴き放題でオーディオブック版が配信されていないと買うことになるが、それは財布に余裕がある方だけで良いと思う。そもそもオーディオブック化されていない作品もあるが。
今後は著者がオーディオブックで朗読するのも面白そう
小説となると難しいが、ビジネス書や実用書などを著者が朗読するというのは面白そう。そこに世界観などは必要なく、ポッドキャストのような感じで読んでくれたら良いかも。
ファンだからその人の考え方や価値観を知りたくてこの本を買ったという人は、オーディオブックでその人の声を流しながら読むと2倍楽しめるかもしれない。
図解などを用いられた本だと、オーディオブックだけで聴くのは難しいが、本を読みながらであれば成立するものもある。
ということで、オーディオブックを聴きながら本を読むと面白いよ。という話でした。
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